INTERVIEWインタビュー
INTERVIEW

2

原田暁一氏インタビュー

インタビュー

1月4日(日)から2月1日(日)まで、VIVI2Fアートスペースにて原田暁一氏個展【龍の目覚め~8の解放〜】が開催中です。
今回は原田暁一氏ご本人にインタビューを実施し、個展の見どころやご自身の作品についてお伺いしました。

profile

原田暁一 @akikazu.harada

1986年生まれ 愛知県豊橋市出身
名古屋中区にアトリエを構える。

龍の胴体を一筆で描き切る伝統技法「一筆龍」を主軸に、現代アートの要素を加え独自に進化。型に囚われない様々なテイストで“新生日本の龍”を描く。「龍×アート」を通して先祖神々より伝わる“和の精神”を現代へと繋ぐ。

画家としての活動歴僅か2年半で180を超える作品を受注制作。名古屋・東海地区を中心に個展多数開催、パフォーマンス、ワークショップ、神社仏閣への奉納、講演会、メディア出演、フランス/パリでの展示など、昇龍の如く飛躍を遂げる新進気鋭のアーティスト。
https://www.ryugashi.com/

――個展のコンセプトについて教えてください

今回の個展は龍の数字とも言われ、循環や拡大、無限を連想させる「8」、そして新年最初の個展ということで「令和8年」ともかけて【龍の目覚め~8の解放〜】というタイトルを名付けました。

また、私の数秘術の数字も8であることから、作家3年目となる自分自身を解放するという意味や、見に来てくださったお客さまたちの心や魂を解放できたらという想いも込められています。

今回は新作4点を含む約30点の作品を展示しています。新作のひとつとして、今年の干支にちなんで麒麟を大きな作品で描いてみました。

――一筆龍という日本の伝統画法をはじめたきっかけは

グラフィックデザイナーとして働いていた当時、自分の能力は活かしているものの魂が喜んでいないような感覚がありました。

そこで2年半ほど前に思い切ってデザインの仕事を全部辞めて、アーティストとして活動する決心をしました。その覚悟が決まって、これからなにかひとつ自分の作風を決めようと考えていたタイミングで、ふと駅の構内のポスターに描かれていた龍に目が留まったんです。

それをみた瞬間に、自分のなかで色々なものがつながった気がしました。


一筆龍という画法は以前から知っていたので、すぐに一筆龍で有名な京都の先生に電話をさせていただきました。

先生から了承を得たので京都へ向かい、実際に先生が一筆龍を描かれている様子を拝見し、そのあと1時間ほどお話をさせてもらいました。そして描いてみた一作目の作品に、自分でも衝撃を受けたんです。

まだ自分の作品が一作しかないにも関わらず、すぐにその作品を使って名刺をホームページを作成し、作家として活動をはじめて今に至ります。

ありがたいことに初月からたくさん注文をいただいたので、最初の作品を納品できたときに京都の先生へ報告に伺いました。

――難しい技術が必要のように思えますが、一作目からうまく描けた要因は

職歴も含め、僕はアーティストになるまでに色々な経験をしてきました。武道もやっていましたし、整体師もやっていたこともあるので、そのときに体感覚が身に付いたのではないかと思います。

また、筆文字の講師や書道アーティストをやっていたこともあり、筆には慣れ親しんでいました。

その体感覚と筆遣いが一致して、一筆龍を描くことができたのだと思います。

――原田さんが思う、一筆龍の魅力とは

もともと一筆龍は、一筆で描くことから「縁が途切れない」という意味で縁起が良いとされています。

そういった意味合いに加えて、一筆で描いているからこそ表せる臨場感や、ごまかしが利かない筆遣いなども、一筆龍ならではの魅力ではないでしょうか。

だからこそライブペインティングのときは、その場特有のエネルギーがとても絵に反映されると感じています。

――龍というひとつのモチーフを描き続けることの面白さ、難しさは

一筆龍を取り上げてもらうことが多いのですが、実際はもっと色々な表現をしています。

そもそも龍は神話や伝説に出てくる架空の生きものなので、自由な発想が叶うモチーフ。龍を具象として描くこともあれば、もっと抽象的に表現したりと、一筆龍の画法を活かしつつ現代アートに寄った作品も手掛けていきたいと考えています。

――今回の個展では、楽器の生演奏のなかでのライブパフォーマンスを披露されましたね

今までピアノや和太鼓、ディジュリドゥというアボリジニの楽器など様々な楽器とコラボしたことがあるのですが、トランペットや笙は初めてでした。

どうなるのか未知数だったのですが、実際にやってみるととても心地よくて、今までにない色が出たと感じています。

僕は不確定要素を楽しむ癖がありますし、一見合わないもの同士が段々と調和していく感覚が好きなんです。だから、目には見えず振動で伝わる音楽というのは特に作品に影響を与えてくれるので、楽器とのコラボは毎回楽しみにしていますね。

――VIVIでの個展の印象は

今まで開催した個展のなかでも一番楽しくて嬉しいことも多かったです。

オーナーの杉本さんやシェフなど、スタッフの方みんなが自分の作品に興味を持ってくれて、色んな企画を提案してくれました。

オープニングパーティでは個展のテーマに合わせたメニューを考案してくれたのですが、その料理を考えるときにうちのアトリエで何時間も打ち合わせしたことも思い出に残っていますね。

また、僕は昔バーテンダーをしていたので毎週水曜に「Barアッキー」を開いて、オリジナルカクテルを振る舞ったりもしました。

こんなふうに普段の個展ではあり得ない体験ができたので、元々の僕のお客さんも楽しんでくださったと思います。

――原田さんの作品のこだわりや楽しみ方のヒントを教えてください

お客さんによって龍に対する概念みたいなものがあると思うので、それを踏まえて楽しんでもらうのもひとつですし、自分の概念を外して鑑賞してもらうのももうひとつの楽しみ方として提案させていただきたいです。

お客さんに作品を自由に楽しんでもらうために、なるべく自分のこだわりみたいなものは外すよう心がけています。そして作品には自分の素が表れるものなので、素の状態をどうあろうかというところをいつも考えていますね。良いか悪いかという二元論の世界には身を置かず、いつも中庸でありたいと意識しています。


自分がなぜ、なんのために龍を描いているのかと考えたとき、土の時代から風の時代へ変化した現代において、実体のない龍というモチーフを通して精神性など目に見えないものを「新生日本の龍」として表現し、世の中に調和を生み出すことこそが僕のミッションだと感じました。

――VIVIのお客さんにメッセージをお願いします

僕の個展を見にきてくださった方たちだけでなく、たまたまVIVIに食事に来てギャラリーを覗いてくださった方たちともご縁ができて素晴らしい時間でした。

これからも僕の作品を楽しんでもらえたら幸いです。

――原田さん、ありがとうございました。

取材・テキスト/ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com)牛丸朋美

RELATED

関連記事

PAGE TOP