INTERVIEWインタビュー

INTERVIEW

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アーティスト 竹井千佳氏 インタビュー

インタビュー

9月10日より2Fアートスペースにて、竹井千佳個展【What would you like?】が好評開催中です。
今回は竹井千佳氏ご本人にインタビューを実施し、今回の個展の見どころについてお伺いしました。

Profile

竹井 千佳
栃木県宇都宮出身。 
イラストレーション青山塾イラストレーション科修了。会社員を経てフリーのイラストレーターに転身。書籍や雑誌、ポスター、オンライン広告、テレビ番組スタジオデザインなど様々な媒体で作品を提供する傍ら、国内外で個展を開催。女性のモチーフを用いて表現するのを主とし、色彩はポップでカラフルだが、様々な感情を描くのを得意とする。 
安室奈美恵さんのFinal公演グッズデザイン制作や、世界的ショコラティエ、ファブリスジロットの期間限定パッケージを務める等、著名アーティストにも起用され注目を集めている。 
定期的に個展を開催しており、2022年は2月東京、4月京都、そして今回名古屋では初の開催となる。 

受賞歴 
2007年 イラストノート誌ノート展 大賞 
2011年 東京イラストレーターズソサエティ TIS公募 大賞 

http://chikatakei.net/

――今回のイベントで展示される作品について

飲食店を兼ねたギャラリーで個展をするということで、作品のテーマは「カクテル」にしました。
普段新作を展示をするときは大体20点弱のところを、今回は32点揃えてあります。

最初空間を見たときは大きい絵の展示をイメージしましたが、小さい絵をたくさん飾りたいというオーナーの杉本さんの言葉が頭の中に残っていて。

名古屋での個展は初めてということもあり、気軽に「家に飾りたいな」と思ってもらえたら…ということで、小さめのサイズの作品を複数作ることに決めました。

――カクテルを題材にするにあたり、どのようなアプローチをされましたか?

広告のお仕事などで食べ物を擬人化した作品を手がけたことはあったのですが、今回は擬人化ではなくて、あくまでもカクテルの世界観を表現することに挑戦しています。

元々そんなにカクテルに詳しかったわけではないので「カクテル図鑑」という本を読んだりして、カクテルの作り方や背景、歴史について調べることから始めました。
カクテルって本当に奥が深くてアイディアを出すのも面白かったですし、自分自身も楽しんで制作できたと思います。
それぞれしっかりとしたストーリーを持っているので、あまり普段絵を見ない方でも入り込んでいただけることを期待しています。

――ご自身の作品のルーツについて

やっぱり小さい頃からずっと女の子を描くのが大好きだったんです。

アニメやマンガのキャラから始まり、学生時代にはブリトニースピアーズとか海外のポップスターに惹かれたりして。そういう女性のアイコンへの憧れがずっと続いていて、今の作品につながっていると思います。

2007年「カモン」 TIS公募コンペで初入選した作品

――「女の子」というモチーフへのこだわりについて

わたしは社会人になってからイラストレーション青山塾に通っていたのですが、やはり当時は課題で女の子以外のモチーフも描いていました。でも先生の反応がイマイチで(笑)

ある日の課題で、慣れていない絵具を自分なりに心を込めて丁寧に描いたら先生に褒めてもらえたんです。そのとき、心を込めて描いたものは評価されるんだなと実感しましたし、だったらやっぱり一番好きな女の子を描きたいという気持ちが強くなりました。

それから色々なテーマの課題に女の子を組み合わせて描くようになったら、先生の反応が変わってきたのを感じて、それで「ああ、これだな」って。そのときに自分の進むべきスタイルが見つけられたと思います。

2011年「ミルキーウェイ」 TIS公募 大賞受賞作品

――竹井さんの作品は色使いもとても印象的です

青山塾に通う前は線画ばかり描いていたので、昔から色に対してこだわりがあったわけではないんです。
でも塾で絵具を使うようになって、自分がいいなと思う色を使っていたら先生から色使いを評価してもらえて。だから、元々持っていた色の感覚は悪くなかったのかもしれません。

展示をするようになってからは、全体的なバランスを考えてあまり使いたくない色を使ったりしたこともありました。
でもやっぱりしっくりこなくて、活動を長く続けていくなかで段々と「作品同士が似たような色合いになることは悪いことじゃないんだ」って思うようになって。

それで普段から自分の好きな色の絵具だけを買っていたら、自然と今のスタイルになっていったという感じですね。

2011年「人妻と液体」 TIS公募 大賞受賞作品

――VIVIで展示をするようになった経緯と、VIVIの印象について

2017年に上海で行われた展示会「Chopsticks」に参加したのですが、そのイベントを主催されていたタカ・プリンシパルさんの紹介で展示が決まりました。

VIVIはまず建物からしてオシャレで、きっと特別な日に綺麗な格好で食事を楽しみに来るような場所なんだろうなというのが最初の印象ですね。
オーナーの杉本さんやスタッフの方々に温かく迎えていただきましたし、展示が始まってからはたくさんのお客さんにお会いできたので、とても心に残る個展になりました。

――最後に、お客様へのメッセージをお願いします

実は今回スタッフの協力を得て、絵の一点一点にキャプションを添えているんです。

カクテルの由来に絡めたストーリーなのですが、なかなか愛嬌のある文章でとても気に入っています。より作品を楽しんでもらえると思うので、ぜひ注目してみてくださいね。

――竹井さん、ありがとうございました。

取材・テキスト/ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com/)ウシマルトモミ

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