INTERVIEWインタビュー

INTERVIEW

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アーティスト kubomi氏インタビュー

インタビュー

3月3日より2Fアートスペースにて、kubomi氏個展【TIME】が好評開催中です。

今回はkubomi氏ご本人にインタビューを実施し、今回の個展の見どころについてお伺いしました。

profile

kubomi
神奈川県在住。文化服装学院アパレルデザイン科卒業。
生き物そのものが持つ生命力やビジュアルに着目し制作を行う。
2018年よりアーティストとして精力的に活動しながら、店舗の内装アートや、アパレルブランドとのコラボ、アルバムジャケットのアートワークなどを手掛ける。
【Instagram】https://www.instagram.com/_kubomi_/

――今回の個展のテーマ、作品について教えてください

今回は、時間の経過による変化を切り取った作品から【TIME】と名付けました。【TIME】という個展自体は以前も開催したことがあるのですが、今回は今まで発表した作品と未発表の作品も織り交ぜて展示しています。

【TIME】は、満開になった花が崩れ落ちる瞬間の、まるで時が止まったかのような美しさから着想を得て作り始めたシリーズです。

あるとき咲き切った花が落ちるのを見て、植物も動物も姿かたちを変えながら命を燃やしているんだなとしみじみと感じたことがあって。命の循環に着目すると、枯れる瞬間にしか見られない美しさがあることに気付いたんです。

そんな発想から、咲き切った花が崩れ落ちていく瞬間を描いた絵を切り取って透明なアクリル板に挟む作品を制作しました。

――マーブルを使った作品が印象的ですが、ご自身の制作方法について教えてください

ここまでマーブルにこだわって作品づくりをしたのは【TIME】がはじめてなんです。それはきっと、時間による老化だったり変化だったり何かが移りかわっていく姿を表現するときに、マーブルの偶発性がマッチしたんだと思います。

マーブルは偶発的な側面が大きいのですが、そこをコントロールして意図的な模様や色合いを出せるように色々な工夫をしています。

――kubomiさんはデザイナーとしてキャリアをスタートさせていらっしゃるんですね

はい、かつてはアパレル企業でデザイナーとして勤務していました。

趣味で絵を描いていた祖父の影響もあって幼少期から絵を描くのが好きだったので、美大に入るために画塾にも通っていたんです。

でも美大受験のための石膏デッサンや模写をずっと続けているうちに、もっと違う世界も見てみたいと思うようになり、その結果行きついたのがファッションでした。

それからファッションのデザインを学べる学校に進学し、ファッションというジャンルのなかでアートを表現することに力を入れていました。そんな風に活動するなかでコンテスト入賞などの結果を残すことができて、ありがたいことにアパレル企業から内定をいただいたんです。

――アーティスト活動をするに至るまでの経緯を教えてください

転職を考えたのは、これから海外進出を目指すブランドのチーフデザイナーのお話をいただいたことがきっかけでした。とてもやりがいのあるお仕事だと思う反面、これを引き受けるなら一生続ける覚悟が必要だと思ったんです。

そこで自分のルーツに立ち返って本当にやりたいことを考えたときに、やっぱりもっと自由な表現活動をしていきたいという結論に至り、アーティストとして活動することを選びました。

――その決断には勇気が必要だったと思いますが、なぜ踏み出すことができたのでしょう

実は、VIVIの壁画も手掛けていらっしゃる牧かほりさんがわたしの母校の臨時講師だったというご縁があり、最初に牧さんに相談させていただいたんです。

そこで牧さんが背中を押してくださったお陰で、アーティストとしてやっていく決意を固めることができました。

――ご来店するお客様に、作品の楽しみ方を教えてください

ご来場いただいた方の日常やその瞬間に寄り添って、少しでも癒しや活力になれるような作品を準備してきました。そんな願いがお客さまに伝わるような展示になればいいなと思っています。

見どころとしては、光源に影響を受けるアクリル板を使った作品です。壁に落ちる影の表情が、時間帯や場所によって変化する姿を楽しんでいただけると嬉しいですね。

――kubomiさん、ありがとうございました

取材・テキスト/ライターチームマムハイブ(https://mamhive.com/)ウシマルトモミ

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